浦島爺アップデートの日々

全ての常識、体験、知識が役立たない世代の悪あがき 

小澤征爾氏の死を悼む  ネパールでの無礼  1

小澤征爾氏が亡くなったとニュースで知った。

何の関わり合いもない関係であったが、一度だけ会ったことがある。

1977年12月カトマンズ空港。

ルクラ行の飛行機は天候不良で一週間ものあいだ運航休止が続いた。

僕は、毎日空港とホテルの間を行き来した。

その甲斐あって、やっと飛び立てる日が来た。

歓声を上げて喜ぶ多くのトレッカーに混じって、数人の欧米人と一緒に会話している一人の蒙古系アジア人が目に入った。

小柄ではあったが背筋を伸ばし堂々としたその立ち居振る舞いに、”あっ、日本人と違うな! 国際的に働いている人はさすがに堂々としてるな!”と呟いた。

セスナの中、機中から見えるヒマラヤの山々。

僕はそのアジア人に山々の名前を聞いてみた。

”私はネパール人ではないので、山の名は知らない。”と言ったので

日本語で小さく”別にネパール人であることを隠さなくてもいいのにと呟いてから

もう一度、山の名を聞いてみた。

すると、またネパール人でないといってきた。

”別に隠すこともないのに・・”と呟いて、また聞いてやった。

こんな事を何回も、何回も続けた。